原発銀座に行ってきた、その4【大飯原発・高浜原発】

福井県の原発銀座巡り、最後を締めくくるのは、大飯原発と高浜原発です。最初に断っておくと、今回は現地の写真が少なめです。特に2012年夏場の関西方面の電力供給不足で、再稼働に揺れに揺れた大飯原発は原子炉建屋すら撮れてません。

というか、撮りたくても見れない場所にあるのです。


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■大飯原発(ウィキペディアにリンク)

前回の敦賀原発から車で2時間弱、小浜市を抜けた先の「おおい町」という自治体にあります。

原発は、国からの電源三法交付金や電力会社からの税金収入が大きく、人口希薄でもやたら潤っています。「平成の大合併」と言われ、国内の市町村が合併している今でさえ、原発がある各地で「郡」「町」「村」単位が存続しているのはこのためです。

上のGoogle mapsではわかりづらいですが、大飯原発にもPR館があり、近辺までは車で接近できます。しかし、実際の原子炉は山一つ越えたトンネルの先。しかも半島の先端の海に面しているため、内陸からは目視ができないのです。

PR館です。管内には山の向こうの発電所ライブカメラがありました。ただでさえ見えないのに、余計不安煽るんじゃないかと…。

あのトンネルの先に発電所が。この頃は、再稼働について議論中だったせいか警備員が二人だけなので緩い感じでした。今では再稼働反対派が道路封鎖しているとか。

あ、いま、自宅でこの記事書いているのですが、下の新宿通りで「再稼働反対!」のデモが聞こえる…。

所謂「福島原発事故」の後に、なぜおおい町が再稼働に踏み切ったかは、超極論で言えば、原発動かないと地元にお金が巡らないとのこと。先ほどの合併の話とリンクしますね。今でも地元高校生の就職は原発関連が人気のよう。ここまで来ると地元社会と切っては離せない関係性。

大飯原発がある大島半島とおおい町役場までは「青戸の大橋」という立派な橋がある。以前までは陸の孤島だったらしいが、原発建設のおかげで悲願達成したとか。

大飯原発を後にして、さらに車で30分近く、高浜町にある「高浜原発」に向かいます。もうここは敦賀市よりも京都府舞鶴市に近いです。

■高浜原発(ウィキペディアにリンク)

どこの原発も一緒ですが、巨大な高圧電線と鉄塔がたくさん見えてくるのが原発に近づいた証拠です。何系統もあるので、鉄塔の林のように見えます。

電気の町らしく、EVカーの充電スポットが道の駅にありました。田舎なのに…。というかこの道の駅「シーサイド高浜」も電源交付金の産物。温泉もあります。

これまたどこの原発でも一緒ですが、原発近くには必ず「モニタリングポスト」と呼ばれる放射線計測装置が至る所で見られます。

さらに車を走らせると、道にいきなり建屋が飛び込んで、

ゲートに警備員がいるものの、もともと車通りも少ないので、もんじゅとは全く違う緊張感。入り口が高架の橋になっていて、「さあ見てくれ」と言わんばかりの開放感です。ただし、ここは例外的にPR館が隣接しておらず、数十キロ離れた場所に存在します。


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高架の反対側です。取水口が丸見え。ただし、大飯原発同様にここからのショットしか望めないため、これ以上は撮影できません。

 

■なんで福井県が原発銀座になったのか?

こんなつぶやきをされた方が居ました。シーサイド高浜の観光案内の老齢の方にお伺いしたところ、あながち間違いではないとのこと。まとめると(クソ長いですよ)、

 

① 福井県は江戸時代「越前」と「若狭」に別れていた。原発銀座があるのは若狭。ひどい過疎地だったらしい。

② 幕末時、越前は勤王派、若狭は佐幕派。明治時代になって、交通インフラ整備など若狭は冷遇を受け続ける。

③ 若狭にある敦賀は貿易で一時栄えたが、その後衰退。過疎と地域発展に拍車をかけるため、アルミニウム工場を誘致したが、電力供給が足らないという理由で失敗。電力への関心の芽生え。

④ 60年代に若狭出身の福井県知事が、地元の工業化振興のため、中東情勢に左右されないエネルギーを求める国と、原発同意と引換えに、大規模工場誘致をした。

⑤ 60年台後半から道路などインフラが整備される、ここまで住民は概ね好意的。

⑥ 70年台、敦賀原発で事故後、住民反対が起きている。一旦原発の建設中止した時期。

⑦ 74年、電源三法が制定。工場誘致はしたものの公害などで伸び悩んでいた地方振興に、原発がお金になる兆しが。電気事業者からの寄付金、所得税、核燃料税収入、地域の電気料金引き下げ。

⑧ これらの財政支援により、不安はあるものの原発建設再開を決断し、より雇用面や地域経済面で原発への依存度を高める。もうがっちりと。麻薬のように。

⑨ 気づいたら、県内4箇所、日本の1/3の原子炉を持つ、世界にも稀な密集度に。

⑩ 2011年、福島原発事故。依存度を上げていた地方は、再稼働せざるを得ない…。

 

歴史長っ!因縁深っ!

 

よく見ると、地域発展のためにという意志は確かなんですよね。電源三法交付金っていうのは、自分の家の裏庭にはあってほしくない施設を作るトレードオフ(NIMBY問題)としてのお金なので、その地に住む住民からすれば、いま話題の首都圏での反対運動は、きっと色々と思うことあるかと思います。

あと、実は行ったことがある原発がいくつかあって…

砂浜の上に作っちゃって15m津波を想定していなかった、静岡県の浜岡原発とか…

地元では原発大歓迎ムード満載、佐賀県の玄海原発とか…

関東の電力供給20%、世界最大の発電力を誇る、電源三法の立役者、田中角栄のお膝元、新潟県の柏崎刈羽原発とかあるんですけど、ここらへんはまたの機会に。

 

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